「あと少しで5年無事故無違反だから、次はゴールドかな」——そう思っている人に、先にお伝えしたいことがあります。
ゴールド免許(優良運転者)の判定には、「5年」が2つ出てきます。しかも、数え方が違います。
ひとつは違反歴を見る5年間。もうひとつは免許を継続して受けている期間の5年。この2つは締め切りが別々なので、片方だけを見て「もう間に合わない」と諦めたり、「まだ大丈夫」と油断したりすると外します。
この記事では、その2つの時計を分けて整理します。
70歳未満の更新時講習は4区分
まず、更新のときの区分です。色ではなく4つに分かれています(70歳未満の場合)。
| 区分 | 条件 | 免許証の色 | 対面講習 |
|---|---|---|---|
| 優良運転者 | 免許の継続期間が5年以上で、基準日前5年間に違反行為等がない | 金 | 30分 |
| 一般運転者 | 免許の継続期間が5年以上で、基準日前5年間に軽微な違反(3点以下)が1回だけ | 青 | 1時間 |
| 違反運転者 | 免許の継続期間が5年以上で、基準日前5年間に違反行為等がある(軽微な違反1回だけを除く) | 青 | 2時間 |
| 初回更新者 | 免許の継続期間が5年未満で、無事故無違反または軽微な違反1回だけ | 青 | 2時間 |

- 「違反行為等」には、通常の違反行為のほか、重大違反教唆幇助・道路外致死傷が含まれます。
- 「軽微な違反1回」には事故の内容についても条件があります。事故を伴う場合、一般運転者に収まるのは原則として建造物以外の物損で、道路交通法72条1項前段(救護義務等)の違反がない場合に限られます。人身事故を「3点以下の違反1回」とだけ見て一般運転者に当てはめることはできません。
- 70歳以上の方は高齢者講習の対象になります。
なお、70歳以上の方の更新は手続きそのものが変わり、判定の基準になる日も別に用意されています。75歳以上で運転技能検査の対象になるかどうかは、この記事で扱う40日前ではなく誕生日の160日前・前3年間で判定されます。詳しくは高齢者の免許更新を解説|70歳・75歳・一定の違反歴で変わる検査と「160日前」の基準にまとめました。
ここでよくある誤解がひとつ。「青=違反者」ではありません。70歳未満で、軽微な違反が1回だけなら「一般運転者」で、有効期間は5年のままです。2回以上、あるいは点数の大きい違反があると「違反運転者」になり、有効期間は3年に短くなります。
同じ青い免許証でも、次の更新までの年数と講習の長さが違います。違反点数そのものの仕組みは違反点数制度と免許停止・取り消しの仕組みで解説しています。
「5年」は2つある
ここが本題です。
① 違反歴を見る5年間 — 通常の更新なら「誕生日の40日前」から遡る
警察庁は、優良運転者の判定について道路交通法95条の6・道路交通法施行令33条の7を根拠に、更新前の免許証の有効期間満了直前の誕生日の40日前等の日から前5年間で違反歴を見ると説明しています。
誕生日が6月1日の人なら、基準日は4月22日。そこから5年さかのぼった期間が判定の対象です。
② 免許を継続して受けている期間の5年 — こちらは「更新日等まで」
一方、継続期間のほうは基準日ではなく、更新日等までに5年以上あるかで判定されます。
つまり2つの5年は、締め切りが別です。「40日前ですべてが決まる」わけではありません。

基準日より後の違反はどうなるか
違反歴の判定が誕生日の40日前で締まる、ということは、基準日より後にした違反は、今回の更新時区分の判定には反映されません。
誕生日が6月1日の人が5月中に違反をしても、判定はすでに4月22日で締められています。今回の更新は優良運転者として受けられる可能性があります。
ただし2つ注意があります。
その違反が消えるわけではありません。次回の更新の判定期間に入ります。先送りされるだけです。

「今回の更新に影響しない」という意味でもありません。違反に伴う免許の停止や取消といった行政処分は、更新時区分とはまったく別の制度です。点数が積み上がれば処分は処分として来ます(一発免停になる違反一覧と基準)。
例外:期間前更新(特例更新)は基準日が違う
やむを得ない事情があって更新期間より前に更新する場合は、基準日の考え方が変わります。適性検査を受けた日が誕生日の40日前より前であれば、その適性検査日から前5年間で見る仕組みです。40日前以後に適性検査を受ける場合は、通常どおり40日前が使われます。
「40日前」は、通常の更新の場合の話だと押さえておいてください。
「継続して免許を受けている期間」とは
もうひとつ間違えやすいのが、②の5年の数え方です。
条件になっているのは「免許を取得してから5年」ではなく、継続して免許を受けている期間が5年以上です。
つまり、途中で免許が切れていると、そこで継続期間が途切れます。うっかり更新を忘れて失効させ、再取得した場合、やむを得ない理由が認められなければ失効前の期間は継続期間に算入されません。
この点は免許更新を忘れたら?失効後6か月・1年・3年で変わる再取得手続で詳しく書きました。ゴールドを目指している人ほど、失効させない管理が効いてきます。
違反したら、いつゴールドに戻れるか
ここは誤解が多いところです。
「違反から5年たてばゴールドに戻る」わけではありません。
区分が再判定されるのは、更新のときだけだからです。正確にはこうなります。
その違反が「基準日前5年間」から外れた最初の更新で、継続期間などの他の条件も満たしていれば、優良運転者に戻れます。

先ほどの「基準日より後の違反」が、ここで効いてきます。
現在ゴールドの人が基準日の直後に軽微な違反をしたとします。その違反は今回の更新には入りません。しかし5年後の次回更新では判定対象期間に入るため、一般運転者になる可能性があります。そこからさらに次の更新まで待つことになり、実際にゴールドへ戻るのは違反からかなり先になる場合があります。
「更新のたびに5年待つ」わけでも、「一度違反したら必ず10年」でもありませんが、単純に違反日から5年で戻るとも限らないということです。
新規取得からゴールドまで
初めて免許を取ると、有効期間3年のグリーン(初回の免許)から始まります。最初の更新では、継続期間が5年に届かないため「初回更新者」区分で、有効期間3年の青になります。
つまり、無事故無違反でもゴールドになれるのは原則として2回目以降の更新です。取得日と誕生日の位置関係によりますが、おおむね5〜6年程度が目安になります。
ゴールド固有の利点と、一般運転者にも共通する制度
ゴールド免許のメリットとしてよく挙げられるものの中には、2025年以降はゴールド限定ではなくなったものがあります。分けて整理します。
ゴールド(優良運転者)で優位なもの
- 任意保険のゴールド免許割引。設けている保険会社は多いですが、割引率は保険会社や商品によって異なります。金額は加入先の約款や見積もりで確認してください。「何%」と一律に言える数字ではありません
- 対面の更新時講習が30分。東京都の2026年時点では講習手数料500円です(更新手数料は別途必要)。違反運転者の2時間・1,400円と比べると、時間も費用も差があります
- 70歳未満なら有効期間が5年
一般運転者にも共通する制度
- 経由地更新(住所地以外での更新)。道路交通法101条の2の2の「更新の申請の特例」です。2025年3月24日から、一定の除外条件を除いて一般運転者にも拡大されました。かつてはゴールドだけの特典でしたが、現在は違います
- オンライン更新時講習。マイナ免許証を保有し、講習区分が優良運転者または一般運転者に該当する人が対象です(高齢者講習の対象者は利用できません)。自宅などで受講でき、東京都では優良・一般とも講習手数料200円です。ただし受講後に、視力検査等のため運転免許センター等へ行く必要はあります

なお、講習手数料は更新手続全体の費用ではありません。免許証の持ち方(従来の免許証/マイナ免許証/2枚持ち)に応じた更新手数料が別途かかります。金額は都道府県で異なる場合があるため、住所地の公安委員会の案内で確認してください。
損しない更新の考え方
- 2つの5年を別々に確認する。違反歴は通常、誕生日の40日前を基準に前5年間。継続期間は更新日等までに5年以上
- 基準日を過ぎてからの違反は、今回の更新時区分には反映されない。ただし次回に持ち越されるうえ、行政処分は別に来ます
- ゴールドに戻るタイミングは、違反日から5年ではない。その違反が基準日前5年間から外れた最初の更新です
- 失効させない。継続期間が切れると、5年の数え直しになり得ます
- 経由地更新とオンライン講習は、一般運転者でも使える。「ゴールドじゃないから」と諦めない
まとめ
- 70歳未満の更新時講習は優良・一般・違反・初回の4区分。「青=違反者」ではなく、軽微な違反1回なら一般運転者で有効期間は5年のまま(事故の内容には条件あり)
- 判定には「5年」が2つある。違反歴は通常更新なら誕生日の40日前を基準に前5年間。継続期間は更新日等までに5年以上
- 基準日より後の違反は今回の更新時区分には反映されない(次回に持ち越し・行政処分は別)
- ゴールドに戻るのは「違反から5年後」ではなく、その違反が基準日前5年間から外れた最初の更新
- 新規取得からゴールドは原則2回目以降の更新。おおむね5〜6年程度
- 経由地更新とオンライン更新時講習は、2025年以降は一般運転者も対象
自分の基準日は、免許証の有効期間から逆算すればすぐ分かります。まずはそこからどうぞ。
出典
- 警察庁「運転免許証の更新手続 Q&A」 https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/QA.html
- 警察庁「日本在住で日本の運転免許証をお持ちの方」 https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/japan.html
- 警察庁「マイナンバーカードと運転免許証の一体化・オンライン更新時講習」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/r4kaisei_main.html
- 警視庁「更新手続一覧」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/koshin/koshin/kousin00.html
- 警視庁「オンライン更新時講習」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/koshu/koshu/online.html
- 警視庁「マイナ免許証に伴う手数料改定」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/oshirase/fee.html
- 神奈川県警察「更新時講習について」 https://www.police.pref.kanagawa.jp/tetsuzuki/menkyo/mes83021.html
- e-Gov法令検索「道路交通法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
※本記事は2026年8月時点の情報にもとづく一般的な解説です。手数料や運用は都道府県によって異なる場合があります。個別の判定については、住所地の警察・運転免許センターにご確認ください。






