法律

一発免停になる違反一覧と基準|即日停止・取消の条件と事例まとめ


「一発免停」とは、たった一度の違反や事故で即座に運転免許の停止または取消処分を受けるケースを指します。本記事では、警視庁・各都道府県警察の公式情報をもとに、どんな違反が「一発免停」に該当するのか、具体的な点数基準や事例を交えて詳しく解説します。

目次

  1. 免停・免取の仕組みと点数制度
  2. 一発免停になる主な違反一覧
  3. 違反別のリアル事例と処分例
  4. 免停・免取後の再取得の流れ
  5. まとめ
  6. 筆者の体験談
  7. よくある質問(FAQ)

免停・免取の仕組みと点数制度

道路交通法に基づく行政処分には「免許停止(免停)」と「免許取消(免取)」があります。違反や事故を起こすと、交通違反点数制度により「基礎点数」「付加点数」が加算され、一定の累積点数に達すると処分が下されます。

  • 免許停止:6点以上の累積点で発生(前歴なしの場合)
  • 免許取消:15点以上の累積点で発生(前歴なしの場合)
  • 前歴がある場合、より少ない点数でも停止・取消に

つまり、初めての違反でも「一発」で6点以上を超えるような重い違反をすれば、免停処分の対象になる可能性があります。特に「特定違反行為(危険性が高い違反)」は点数が高く設定されています。

一発免停になる主な違反一覧

以下は、一度の違反で「免停または免取」となる可能性がある代表的な違反行為です。警察庁・都道府県警の基準をもとに整理しました。

違反内容 基礎点数 処分の可能性 概要
酒酔い運転 35点 即免許取消 呼気0.25mg/ℓ以上の酩酊状態で運転。
酒気帯び運転(0.25mg/ℓ以上) 25点 即免取または長期免停 酒気を帯びた状態での運転。
無免許運転 25点 即免取の可能性 免許を所持せずに運転。
救護義務違反(ひき逃げ) 35点 即免許取消 人身事故後に救護義務を怠る。
危険運転致死傷 62点 即免許取消+刑事罰 極めて危険な運転による致死傷。
速度超過(一般道30km以上/高速50km以上) 6〜12点 免停対象 一発免停となる代表的な違反。
過労運転・薬物使用運転 13〜25点 免停〜免取 薬物・睡眠不足などによる危険運転。

これらは一例ですが、特に酒酔い・酒気帯び・ひき逃げ・無免許運転は非常に重い処分となります。これらは「特定違反行為」に分類され、刑事罰と同時に行政処分(免停・免取)が科されます。

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違反別のリアル事例と処分例

酒気帯び運転による即日停止のケース

東京都内の例では、呼気中アルコール濃度が0.25mg/ℓを超えた場合、25点が付与され、初回であっても即免許取消の対象になります。軽度(0.15〜0.25mg/ℓ未満)でも13点で90日免停が一般的です。

速度超過による一発免停の事例

一般道での40km/h超過は9点。前歴がない場合でも「60日免停」となります。もし過去に免停歴があると、同じ違反で免許取消の可能性も。高速道路で50km/hを超えた場合は12点で120日免停相当です。

ひき逃げ・救護義務違反

人身事故で逃走すると35点+事故付加点数が追加されます。これによりほぼ確実に免許取消。刑事裁判では懲役刑となる場合も多く、社会的影響も非常に大きいです。

免停・免取後の再取得の流れ

免許停止期間が終了すれば、再試験は不要で運転を再開できます。一方、免許取消となった場合は、一定期間(欠格期間)が過ぎた後に再取得が必要です。

  • 免停:停止期間満了後に講習を受け復活
  • 免取:欠格期間(1〜10年)経過後に再試験が必要
  • 欠格期間は違反の内容と前歴で決定

例えば、酒酔い運転での免取は欠格期間3年〜10年が一般的。再取得には運転免許試験場での筆記・実技試験が再度必要です。

まとめ|一発免停を防ぐための心構え

「一発免停」は一瞬の油断で起こります。特に酒気帯びや速度超過は“気の緩み”が原因です。次のポイントを心に留めておきましょう。

  • 飲酒後は絶対にハンドルを握らない
  • スピードメーターを常に意識する
  • 疲労・睡眠不足時は運転を控える
  • 前歴がある場合は特に慎重に

違反の重さを知ることで、安全運転への意識が高まり、結果として自分や他人の命を守ることにつながります。

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筆者の体験談

筆者自身、社会人になって間もない頃に一般道での速度超過(28km/h)で検挙された経験があります。点数は3点で免停にはならなかったものの、「あと少しで免停だった」と背筋が冷えました。免停講習を受けた同僚の話では、90日免停期間中は仕事にも大きく影響し、反省文の提出や交通安全講習の受講も義務付けられたとのことです。

その後は速度表示や信号のタイミングに常に注意するようになり、以降は無事故・無違反を継続しています。違反をきっかけに“安全運転の意識”が芽生えたとも言えます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 一発免停と免取の違いは?

A. 一発免停は一定期間運転できないだけで、期間終了後に免許が戻ります。一方、一発免取は免許そのものが失効し、再取得が必要です。

Q2. 免停期間中に運転したらどうなる?

A. 無免許運転となり、さらに重い処分(25点)が追加され、刑事罰の対象となります。

Q3. 前歴があると一発免停になりやすい?

A. はい。前歴1回なら同じ違反でも短期間で免停になります。累積点数の基準が厳しくなるため注意が必要です。

Q4. ゴールド免許でも一発免停になる?

A. もちろんです。違反内容が重ければ免停・免取の対象になります。免許の色は軽減要素にはなりません。

参考リンク:
警視庁|運転免許の行政処分
神奈川県警|交通違反点数表