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年齢層別 事故率ランキング(免許人口10万人あたり)
ここでは、運転免許保有者10万人あたりの事故件数(第1当事者)に基づいたランキングを示します。最新データでは、以下のような傾向が明らかです。
1. 16–19歳: 約 976.3 件/10万人
2. 20–24歳: 約 551.0 件/10万人
3. 85歳以上(高齢): 約 496.1 件/10万人
4. 80–84歳あたりの高齢層――その直前の年代も高め
このデータからは、「若年層(特に10代後半〜20代前半)」と「高齢(特に85歳以上を含む上位年齢層)」が、他の年代に比べて突出して事故率が高いことが分かります。なお、35歳〜69歳あたりは比較的“安定”しており、極端に高くも低くもない層となっています。

なぜ若年層は事故率が高いのか?
16〜24歳あたりが上位になるのには、いくつかの理由があります。
運転経験と慣れの不足
まず、免許取得直後は「運転経験」が少なく、道路のカーブ、他車の挙動、車幅感覚などに慣れていないケースが多いです。これだけでもミスの確率が上がります。
リスクを過小評価しやすい心理
若者には「大丈夫だろう」という過信や、「多少速度を出しても問題ない」「急げば間に合う」といった焦りが入りやすい傾向があります。これは若さゆえの勢いや時間感覚のズレなども影響していると思われます。
外出頻度や運転機会の多さ
仕事、通学、遊びなどで車を使う機会が多く、かつ運転する時間帯も夜間が含まれやすい――このような“運転機会の多さ”が、単純に事故に出会う確率を上げている可能性があります。
つまり、「量」と「未熟さ」のダブルパンチが、若年層の事故率を押し上げる構造になっているのです。

なぜ高齢者は死亡事故率や重傷事故率が高いのか?
一方で、高齢ドライバーにも別のリスクがあります。
高齢者の事故の割合と特徴
過去の統計では、65歳以上のドライバーや歩行者・自転車利用者の事故割合や死亡事故数の占める割合が高いことが報告されています。
特に、免許人口10万人あたりの死亡事故件数を見ると、75歳以上の高齢運転者は、他の年齢層と比べて高い水準にあります。
身体能力・判断力の低下、反応の遅れ
歳を重ねることで、視力・聴力・反射神経などが衰えがちです。また、夜間や悪天候時の運転が難しくなったり、判断のスピードが落ちたりします。このような身体的・認知的な変化が、重大事故を招きやすくする要因です。
事故時の重症化リスクの増大
高齢者は、事故そのものの起こりやすさだけでなく、“事故後のダメージの大きさ”という点でも不利です。軽めの事故でも重傷・死亡に至るケースが比較的多いため、統計上「高齢者=事故が多い/重い」という印象が強くなります。
データが示す教訓と安全運転のヒント
- 若年ドライバーは“慎重な運転経験”を積むことが重要
免許取りたての頃は、「スピード控えめ」「夜間・雨天を避ける」「無理をしない」を念頭に、まずは“安全運転”を習慣化するのが有効です。 - 高齢ドライバーは“無理しない運転”と“車以外の移動手段”の選択も視野に
夜間運転を避ける、歩行や公共交通を活用する、家族で運転状況を見直す――こうした工夫が重要です。 - 周囲のドライバーや家族も支援を
若年者なら運転練習の場や助言を、高齢者なら体調や運転状況のチェックや声かけを。交通安全は“個人任せ”ではなく、社会全体で考えるべき問題です。

まとめ
一方で「75歳以上」の高齢ドライバーは、死亡事故率や重傷事故率が高く、安全運転や事故対策が強く求められる。
年代によって“事故の傾向”と“必要な対応”は違います。
どの年齢であっても、自覚と心構え、そして周囲の理解が“安全な走り”につながるのです。

出典:年齢別の事故率は?10代・20代と高齢者、どっちが高い?(インズウェブ)
75歳以上高齢運転者の免許保有者数と死亡事故件数(年別推移)
特集「道路交通における新たな目標への挑戦」
II 近年の道路交通事故の特徴
FAQ
Q1: 若者は本当に事故が多い?
A: はい。免許人口10万人あたりの事故率では、16–19歳が最も高く、その次に20–24歳が続いています。
Q2: 高齢者も事故多いって聞いたけど、本当?
A: 事故全体より“死亡事故”や“重傷事故”の割合が高いのは高齢者です。75歳以上は特にリスクが高めとなっています。
Q3: 中年ドライバー(30〜60代)は安全?安心?
A: 統計上は若年層や高齢者ほど突出していません。ただし、安全運転の意識を怠れば誰でも事故を起こす可能性があります。
