高速道路

年末帰省ラッシュで事故が増える理由|原因と発生パターンを徹底解説|長距離ドライブで注意すべきポイント

年末が近づくと、ニュースで「帰省ラッシュ」「Uターンラッシュ」「交通事故多発」といった言葉をよく耳にします。
毎年のこととはいえ、「どうして年末になるとこんなに事故が増えるんだろう?」と感じたことはありませんか?
本記事では、一般ドライバーの目線で、年末帰省ラッシュで事故が増える理由と典型的な発生パターン、長距離ドライブで本当に気をつけるべきポイントをまとめて解説します。

目次

年末帰省ラッシュで事故が増える主な理由

1:交通量の急増と「いつもと違う流れ」

年末は、普段クルマをあまり運転しない人も含め、多くの人が一斉に移動します。帰省・旅行・買い物・忘年会など予定が重なり、一般道路も高速道路も「いつもよりクルマが多い状態」が続きます。

交通量が多いということは、それだけ「ヒヤリとする場面」が増えるということ。さらに、他県ナンバーやレンタカー、慣れない高速道路デビュー組も増えるため、加速レーンの使い方や合流がスムーズでない場面も目立ちます。
こうした小さな「ぎこちなさ」が積み重なって、追突や接触事故のリスクが高まっていきます。

2:一年の「疲れ」がたまった状態での運転

年末は仕事もプライベートも慌ただしく、「とりあえず年内に片付けてしまおう」と頑張りすぎてしまう人が多い時期です。睡眠不足のまま、仕事納め直後に長距離ドライブに出る…よく聞くパターンですよね。

しかし、疲労が蓄積した状態では、注意力や判断力が確実に落ちます。本人は「まだ大丈夫」と思っていても、ブレーキのタイミングが少し遅れたり、車間距離が気づかないうちに詰まっていたりと、事故につながる要素が増えてしまいます。

3:心理的な焦りと「早く着きたい」プレッシャー

「渋滞に巻き込まれたくない」「予約時間に遅れたくない」「子どもを早く休ませたい」――年末の移動には、いろいろなプレッシャーがつきものです。すると、無意識のうちにスピードを上げたり、車線変更を繰り返したり、黄色信号で無理に進もうとしたりしがちです。

焦りは視野を狭くします。「前だけ」を見てしまい、歩行者や自転車、側方の車両への注意が疎かになりがちです。

4:冬特有の気象条件と視界不良

冬は日没が早く、夕方にはもう真っ暗という地域も少なくありません。さらに、雪・みぞれ・雨・霧・路面凍結など、路面状況も不安定です。
特に高速道路では、見た目では分かりにくい「ブラックアイスバーン」にタイヤを取られ、スリップから多重事故につながるケースもあります。

視界不良と滑りやすい路面、そして交通量の多さが重なる――これが年末の道路の怖いところです。


典型的な事故パターンとケース別の注意点

1:渋滞中の「わき見追突」

帰省ラッシュの定番といえば、数十キロ単位の渋滞です。ノロノロ運転が続くと、人間どうしても退屈してしまいます。そこでつい、スマホの通知を確認したり、カーナビを長めに操作してしまったり…。
その一瞬の「横目」が、わき見追突につながります。

道路交通法では、携帯電話の使用や画面注視を禁止しており、違反すると罰則の対象にもなります。渋滞で止まりそうでも、「完全に安全な場所に停車してから触る」が原則だと覚えておきましょう。

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2:長距離運転による「居眠り・マイクロスリープ」

暖房の効いた車内、単調な景色、夜間の高速道路――眠くなる条件が完璧にそろっているのが年末ドライブです。本人は「眠くないつもり」でも、数秒〜数十秒だけ意識が落ちる「マイクロスリープ」が起こることがあります。

この短い眠りの間に、クルマは時速100kmなら約30メートル以上進んでしまいます。ほんの一瞬のはずが、前方のクルマやガードレールに気づいたときにはもう遅い、という状況になりかねません。

3:早朝・夜間の「歩行者・自転車の見落とし」

年末は買い物やイベントも多く、歩行者や自転車の数も増えます。薄暗い時間帯は、黒っぽい服を着た歩行者やライトが不十分な自転車が見えづらく、右左折時や横断歩道の手前でヒヤリとすることが増えます。

「前を走る車についていったら、信号の見落としに気づかなかった」「対向車に気を取られて、横断歩道の歩行者を見落とした」といったパターンも典型です。

4:路面凍結・積雪によるスリップ事故

特に雪道に慣れていない地域のドライバーが、年末に帰省や旅行で雪国へ行ったときに増えるのがスリップ事故です。スタッドレスタイヤを履いていても、急ブレーキや急ハンドルを切ると制御を失いやすくなります。

高速道路では、前車がスリップしたのを避けようとして後続車も連鎖的に事故になるケースがあり、重大事故に発展しがちです。


長距離ドライブで注意すべきポイントとよくある誤解

「高速道路は一般道より安全だから大丈夫」?

確かに、高速道路は交差点や歩行者がなく、一般道路に比べると事故件数自体は少ないとされています。ただし、一度事故が起きるとスピードが高い分、被害が大きくなりやすいという特徴があります。

高速道路では、十分な車間距離の確保がとても重要です。道路交通法第26条では、前車が急停止しても追突を避けられるだけの距離を保つことが求められています。
「渋滞で詰まってきたから」となんとなく前にくっついて走るのは、法律的にも安全面でもNGです。

「渋滞中だからスピードも出ていないし安全」?

実は、追突事故の多くは「低速で走っている場面」で起きています。渋滞中は気持ちが緩みやすく、わき見やぼんやり運転になりがちです。
自分はブレーキを踏んだつもりでも、疲労や気のゆるみで一瞬反応が遅れ、コツンと当ててしまうケースはとても多いです。

低速でも追突すれば相手にケガをさせる可能性もありますし、年末の忙しい時期に警察や保険会社の対応でさらに時間を取られることになります。
「どうせノロノロだから大丈夫」とは決して言えません。

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「早く出発すれば混雑を避けられるから安心」?

早朝出発や深夜ドライブで渋滞を避ける作戦自体は、うまく使えば有効です。ただし、ここに「睡眠不足」が重なると一気にリスクが高まります。
普段は寝ている時間帯に運転すると、体内時計の関係でどうしても眠気が強くなります。

「眠くなったら休めばいいや」ではなく、もともと睡眠時間をしっかり確保してから運転することが大前提です。早く出るために睡眠時間を削ってしまうと、本末転倒になってしまいます。

長距離ドライブで意識したい4つのポイント

  • 2時間に1回を目安に、サービスエリアやパーキングで休憩をとる
  • 出発前日は、できるだけいつも以上に睡眠をとる
  • ドライバーを2人以上確保し、交代しながら運転する
  • 「眠くなったら負け」ではなく、「眠くなったらすぐ休む」が正解だと決めておく

どれも当たり前のことですが、年末のバタバタした空気の中だと、つい後回しにしてしまいがちなポイントです。


実際にあった事故事例から学べること

ここでは、年末帰省ラッシュ時に起きがちなケースを、イメージしやすいようにストーリー形式で紹介します。実際のニュースや統計を参考にしつつ、一般的なパターンを再構成したイメージケースです。

ケース1:実家まで500kmを一気に走ろうとして居眠り

40代の会社員Aさんは、仕事納めの翌日、家族を連れて実家までおよそ500kmの道のりを一気に走る計画を立てました。前日も残業で帰宅が遅く、睡眠時間は4時間ほど。それでも「サービスエリアでコーヒーを飲めば大丈夫」と出発してしまいます。

深夜出発で渋滞は避けられたものの、明け方4時を過ぎたころ、単調な高速走行と暖房の効いた車内で強い眠気に襲われ、ふと気づいたときには路肩側に寄っていました。幸い、大きな事故にはならずガードレールへの接触で済みましたが、一歩間違えれば多重事故になりかねない状況でした。

このケースからの教訓は、「渋滞回避より睡眠優先」です。予定を調整して前泊する、運転を交代できる人を増やすなど、無理のない計画が何よりの安全対策になります。

ケース2:渋滞中のスマホ操作で前方不注意

若い夫婦Bさんは、小さな子どもを連れて片道300kmの帰省。高速道路は20km以上の渋滞が続き、ノロノロ運転にうんざりしていました。
そこで、停止と発進を繰り返す中、助手席のパートナーがスマホで渋滞情報をチェックし始め、運転している本人もつい画面を覗き込んでしまいます。

顔を上げたときには、前のクルマとの距離はわずか数メートル。慌ててブレーキを踏むも間に合わず、低速ながら追突事故に…。大きなケガはなかったものの、警察や保険会社への対応で半日つぶれてしまいました。

このケースでは、「渋滞だから安全」と思い込んだ油断と、「ちょっとだけなら」とスマホを見てしまった気のゆるみが重なっています。

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ケース3:帰り道の油断と「あと少しだから」の心理

行きの運転は緊張感もあり、比較的安全に走れたのに、危ないのは実は「帰り道」です。楽しい時間が終わり、疲れもたまり、家に着くころには気持ちもふっと緩みます。

「家まであと30分だから、休憩はいいか」とそのまま走り続けた結果、信号待ちでブレーキを踏むのが少し遅れ、前のクルマにコツン…。
小さな接触でも、相手がいる以上は立派な事故ですし、年末に気持ちが一気に沈んでしまうきっかけになります。

ゴールが近づいたときこそ、あえて一度コンビニやサービスエリアに入り、ストレッチや飲み物でリフレッシュする習慣をつけておくと安心です。


まとめ

年末帰省ラッシュで事故が増える背景は、単なる「交通量の増加」だけではありません。

  • 一年の疲れ・睡眠不足・心理的な焦りが重なって注意力が落ちる
  • 渋滞中のわき見、スマホ操作、ぼんやり運転が追突事故の大きな原因になる
  • 冬特有の路面凍結や視界不良で、スリップや見落としのリスクが高まる
  • 「早く着きたい」「渋滞を避けたい」という気持ちが無理な運転につながりやすい
  • 最優先すべきは、時間より体力と集中力を守る計画と休憩の取り方

年に一度の帰省だからこそ、「無事に着くこと」が何より大事なゴールです。予定を少しゆるめに組み、休憩前提の運転を心がけるだけでも、事故のリスクはぐっと下げられます。

筆者の体験談

私自身も、年末帰省でヒヤッとした経験があります。社会人になって数年目のころ、仕事納めの日の夜にそのまま実家へ向かおうと、高速道路に乗りました。
「若いし、コーヒー飲めば何とかなるでしょ」と、今思えばかなり無茶な発想でした。

深夜2時を過ぎたあたりで、ふと「さっきもこの標識を見たような…」という妙な感覚に襲われました。ナビの距離表示は確かに進んでいるのに、記憶がところどころ抜けているような、あのゾッとする感覚です。

怖くなってサービスエリアに入り、クルマの中で30分ほど仮眠したところ、頭がスッキリして視界もクリアになりました。さっきまで「大丈夫」と思っていた自分が、実はかなり危ない状態だったことに気づき、背筋が冷たくなったのを覚えています。

それ以来、年末の長距離運転では「前日は早く寝る」「2時間に1回は強制的に休む」「眠くなったら予定を変えてでも寝る」という3つのルールを自分に課すようになりました。
予定どおりに到着しなくても、家族全員が元気に到着できればそれで十分。そう思うようになってからは、運転中の心の余裕も少しずつ変わってきた気がします。

FAQ

Q. 年末は本当に交通事故が増えるの?

A. 年末年始は交通量が増える時期として、警察や自治体から毎年のように注意喚起が行われています。クルマの台数が増えるだけでなく、疲労や焦りが重なりやすい時期であることも、事故リスクを高める要因とされています。

Q. 長距離運転で最も気をつけるべきポイントは?

A. 一番大切なのは「睡眠と休憩」です。出発前にしっかり睡眠をとること、そして走行中は2時間に1回を目安に休むことが、安全運転の土台になります。眠気や集中力低下を覚えたら、予定より早くても迷わず休憩を入れましょう。

Q. 渋滞中でもスマホを見なければ大丈夫?

A. スマホを見なくても、「ぼーっとしていてブレーキが遅れる」ことはよくあります。先頭車両が動き出すと、後ろのクルマがドミノ倒しのように発進・停止を繰り返します。その中で一台だけ反応が遅れると、軽い追突につながりかねません。
渋滞中こそ車間距離を少し長めにとり、前だけでなく数台先の動きにも目を向ける意識が大切です。

Q. 子ども連れの年末ドライブでしておくべき準備は?

A. 子どもが退屈すると、車内で騒いだり泣いたりして運転に集中しにくくなります。お気に入りのおもちゃや音楽、飲み物や軽食、ブランケットなどを用意しておくと、車内が落ち着きやすくなります。
また、トイレ休憩のタイミングも余裕を持って計画しておくと、運転中の焦りが減り、安全につながります。

根拠となる法令

  • 道路交通法第26条(車間距離の保持)
    同一の進路を進行している前車が急停止しても追突を避けられるよう、必要な車間距離を保つ義務について定めた規定。
  • 道路交通法第71条(運転者の遵守事項の一部:携帯電話使用等)
    自動車等の運転中に携帯電話を使用する行為等を禁止し、安全な運転の継続を求める規定。

※本記事では法令本文の全文掲載は行わず、要点を抜粋してドライバー向けに分かりやすく解説しています。詳しい条文は各自治体や電子政府の法令検索などで確認してください。


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