高速道路で急にクルマが動かなくなった――。そんな時、あなたは迷わず三角表示板を出せますか?
実は「出す必要があるのかどうか」を曖昧にしたまま運転している人は多いもの。この記事では、一般ドライバーの目線で「なぜ三角表示板が必要なのか」「どんな時に義務になるのか」「出さなかった場合の罰則」まで、まとめて分かりやすく解説します。
目次
- 三角表示板は高速道路で義務なのか
- 道路交通法の根拠と適用ケース
- なぜ三角表示板が必要なのか(具体例)
- よくある誤解と危険な思い込み
- 実際に起きた事故事例
- まとめ
- 筆者の体験談
- FAQ
三角表示板は高速道路で義務なのか
結論からいえば、高速道路上で故障などにより「やむを得ず停止」した場合、三角表示板や発炎筒などで後方に合図を出すことは義務です。
これは道路交通法施行令第18条によって定められており、一般道路よりも交通速度が高い高速道路では特に重視されます。

道路交通法の根拠と適用ケース
法律では「停止措置」が求められており、以下の状況が該当します。
- 故障で走行不能になった時
- 事故で車体が動かせない場合
- タイヤのバーストなどで緊急停止したケース
一方で、SA・PA・路肩の非常駐車帯に完全に避難でき、後方の視認性が確保できている場合は、道路状況によっては表示義務が生じないケースもあります。とはいえ、現実的には「後続車へ知らせる余裕があれば必ず置く」のが安全面で圧倒的に有利です。

なぜ三角表示板が必要なのか(具体例)
→ 後続車が“早めに気づけるようにするため”
高速道路は時速80〜100kmで走行する車が当たり前。そのため、ちょっとした“異変の発見の遅れ”が重大事故につながります。
例えば、夜間に無灯火で停止している車を想像してください。運転している側からすると、闇に溶け込んだ物体がいきなり目の前に現れたように感じます。
三角表示板は「停止車両がありますよ」と後続車にアナウンスする最も原始的で確実なツール。これはスマホのアプリでも代用できませんし、ハザードだけでは視認距離が短すぎる場面も多いのです。

よくある誤解と危険な思い込み
- 誤解1:路肩に停めたから三角表示板はいらない
実際には夜間・カーブ・雨天では路肩でも非常に見えにくいことがあります。 - 誤解2:ハザードをつけていればOK
ハザードは近距離用の合図。高速道路のような高速域では三角表示板との併用が望ましい。 - 誤解3:高速道路会社が助けに来るから大丈夫
実際に到着するまで数分〜十数分かかります。その間、あなたの車は後続車から見えにくい状態です。

実際に起きた事故事例
ニュースでも取り上げられますが、高速道路で停止した車に後続車が追突する事故は後を絶ちません。
特に多いのが「停止した車の後方に合図がなかった」というケース。夜間や雨天ではハザードだけでは気付くのが遅れ、ドライバーは避ける余裕もないまま追突してしまいます。
ある年には、故障で路肩に停車していた車に大型トラックが接触し、車外に避難していた運転者が巻き込まれた事故もありました。ほんの数十メートル手前に三角表示板を置いていれば、結果は違っていたかもしれません。
まとめ
● 高速道路で故障や緊急停止 → 三角表示板は実質必須
● ハザードだけでは不十分な場面多数
● 罰則より「命を守るため」の道具と考えるべき
三角表示板は単なる義務ではなく、あなた自身や同乗者、そして周りを走る人々の命を守る“シンプルで強力な安全装備”です。
トランクの奥に眠らせたままでは意味がありません。万が一のために、今一度位置を確認しておきませんか?

筆者の体験談
数年前、私自身も高速道路での故障を経験しました。夏場で気温は35度近く、エアコンが効かない車内で冷や汗を流しながら路肩に停車。あの時は心臓がバクバクして、普段は冷静な私でも「どうしよう」と軽くパニックでした。
それでも三角表示板を取り出して置いた瞬間、後続の車が大きく避けて走っていくのが見えて、「あ、これは絶対必要なものだ」と実感しました。
もし表示板がなかったら…と考えると今でもゾッとします。
FAQ
Q. 高速以外の道路でも三角表示板は必要ですか?
一般道路でも、危険を防止するために必要と判断される状況では設置が望まれます。
Q. 三角表示板はどこに置けばいい?
高速道路では目安として後方200m程度が理想。最低でも十分に距離を置いて設置しましょう。
Q. 三角表示板を持っていないと違反になりますか?
義務違反として処罰されるのは「設置すべき状況なのに設置しなかった場合」であり、携行自体が義務ではありません。
根拠となる法令
- 道路交通法施行令第18条
※本記事では法令本文の全文掲載は行わず、要点を抜粋して解説しています。






