保険・弁護士特約

道路を走る4台に1台が自動車保険に未加入?衝撃の事実と対策を解説



信号待ちをしているとき、ふと隣を見たら高級車や巨大なトラックが並んでいる。「まあ、みんな保険くらい入ってるでしょ」なんて、心のどこかで安心していませんか?

ちょっと待ってください。その常識、実はかなり危ういかもしれません。

最新のデータによると、日本の公道を走る車の「約4台に1台」が、民間の自動車保険(任意保険)に入っていないという衝撃の事実があるんです

「嘘でしょ!?」と思いますよね。私も最初は目を疑いました。でも、これが現実なんです。

今回は、一般ドライバーの皆さんが意外と知らない「無保険車」の実態と、もしもそんな車と事故になってしまったらどうなるのか、分かりやすく解説していきます。自分の身を守るために、少しだけお付き合いください。

目次

  • 1. 数字で見る恐怖:4台に1台が未加入のカラクリ
  • 2. なぜ入らない?「自家保険」という落とし穴
  • 3. 「自分は大丈夫」バイアスと無保険車のリアル
  • 4. もしも相手が無保険だったら…【対策編】
  • 5. まとめ
  • 6. よくある質問(FAQ)

1. 数字で見る恐怖:4台に1台が未加入のカラクリ

いきなり数字の話で恐縮ですが、ここが一番大事なポイントなので聞いてください。

損害保険料率算出機構が発表したデータ(2024年3月末時点)によると、民間の自動車任意保険の普及率は、全国平均で約75.5%となっています

逆に言えば、残りの約24.5%は未加入。つまり、計算上は「4台に1台」が任意保険に入っていない状態で走っていることになるわけです

⚠ ここで注意点!
「じゃあ25%も完全な無保険なの?」というと、少しだけ救いがあります。実はこの数字には「JA共済」や「全労済」などの自動車共済が含まれていません。これらを含めた実質的な加入率は、約88〜89%まで上昇します

「なんだ、じゃあ約9割は入ってるんじゃん」と安心しましたか?

いやいや、ちょっと待って。裏を返せば「10台に1台以上」は、共済にすら入っていない完全な無防備状態ということなんです。信号待ちで前後左右を見渡してみてください。その中に1台、もし事故を起こしても「お金がないから払えません」と言い出す車がいるかもしれない。そう考えると、背筋が寒くなりませんか?


2. なぜ入らない?「自家保険」という落とし穴

ここで一つの疑問が浮かびます。「誰がそんな危ない状態で走ってるの?」と。

お金がなくて保険に入れない若者? それとも手続きを忘れている高齢者? もちろんそういった個人の方もいますが、実はもっと根深い問題があります。

商用車・トラックのリスク

データを見てみると、個人用(自家用)の乗用車は約8割が任意保険に入っているのに対し、事業用車両(商用・営業ナンバーの車)の加入率はそれより低い傾向にあります

特に運送業界などで見られるのが「自家保険(じかほけん)」という考え方です。これは保険会社にお金を払うのではなく、「事故が起きたら会社のお金で賠償するから、保険料は払わない!」というスタンスのこと

なぜ企業は保険に入らないのか?

  • 何十台、何百台ものトラックの保険料は莫大な金額になる。
  • 「保険料を払うより、事故が起きた時に自腹を切ったほうがトータルで安い」と経営判断している
  • 大手なら資金力があるが、中小零細企業だと資金繰りが厳しいケースも。

これが何を意味するか分かりますか?

もしあなたが営業用トラックと事故になった場合、相手のバックにいるのは「話の通じるプロの保険会社」ではなく、「必死に支出を抑えたい運送会社の社長」かもしれないということです。交渉が難航するのは目に見えていますよね。これが、事業用車両の加入率が全体平均を押し下げている一因とも言われています


3. 「自分は大丈夫」バイアスと無保険車のリアル

私は普段、車の運転をしながら人間観察をするのが好きなんですが(危ないので真似しないでくださいね)、無保険で走る人たちの心理って、どこか「正常性バイアス」が働いている気がしてならないんです。

「今まで20年間、一度も事故ったことないし。」
「近所のスーパーに行くだけだから。」
「俺の運転技術なら回避できる。」

こんな風に思っている人、周りにもいませんか?

しかし、交通事故は「自分が気をつけていれば防げる」ものではありません。もらい事故だってあるし、突然の天候変化、機械トラブル、体調不良…リスクは無限にあります。

実際、任意保険未加入者の多くは、保険料の負担を嫌がったり、車検切れと同時に保険も切らしていたりするケースが多いです。そして最悪なのが、「お金がないから保険に入らない」人たちは、事故を起こした時も「お金がないから賠償できない」可能性が極めて高いということです。

「ない袖は振れない」と開き直られた時、被害者である私たちが泣き寝入りするしかないなんて、理不尽すぎますよね。


4. もしも相手が無保険だったら…【対策編】

では、実際に無保険車(あるいは無保険の営業車)と事故になってしまったら、どうすればいいのでしょうか? 絶望する前に、以下のステップを頭の片隅に入れておいてください。

① 絶対に警察を呼ぶ

相手が「保険に入ってないから、警察は呼ばずに示談にしてくれ」と懇願してくるパターン。これ、あるあるです。でも、絶対に断ってください。
警察の「交通事故証明書」がないと、後述する自分の保険も使えなくなる可能性があります。情けは無用です。

② 相手の情報を徹底的に記録する

免許証の写真、車検証の確認、連絡先、勤務先(営業車の場合)。これらは全てスマホで撮影しましょう。相手が逃げ得を図るのを防ぐためです。

③ 「無保険車傷害特約」を確認する

これが最強の自衛策です。
ご自身が加入している自動車保険の証券を見てください。「無保険車傷害特約」という項目はありませんか?

これは、相手が保険に入っていなかったり、賠償能力が不十分だったりした場合に、自分の保険会社が相手に代わって補償してくれるという神のような特約です。

「相手が悪いのに、なんで自分の保険を使うんだ!」と腹が立つ気持ちは痛いほど分かります。でも、回収不能で一銭も入らないよりは、遥かにマシです。これに加入しているかどうかで、人生が変わると言っても過言ではありません。

5. まとめ:ハンドルを握る責任

今回のポイント

  • 民間の任意保険加入率は約75.5%。4台に1台は未加入(共済除く)
  • 共済を含めても、約1割以上の車は何の補償も持たずに走っている可能性がある
  • 特に事業用トラックなどは「自家保険」で対応しているケースがあり、交渉が厄介になることも。
  • 自衛のためには、自分の保険の「無保険車傷害特約」などを必ずチェックしておくこと。

車は便利な道具ですが、一歩間違えれば凶器になります。「みんな入っているだろう」という性善説は、道路上では通用しないのかもしれません。

次に車に乗るとき、すれ違う車の「4台に1台」を思い出してみてください。少しだけ、車間距離を取りたくなるはずです。それが、あなた自身を守る第一歩になるのですから。

よくある質問(FAQ)

Q. 本当に4台に1台も無保険車が走っているのですか?

A. はい、民間の任意保険(共済を除く)に限ると加入率は約75.5%であり、約4台に1台が未加入という計算になります。ただし、JA共済などの「自動車共済」を含めると加入率は約88〜89%まで上がりますが、それでも10台に1台以上は無保険の可能性があります

Q. トラックなどの営業ナンバーは保険に入っていないことが多いって本当?

A. 一概には言えませんが、一般の自家用車(約79%加入)に比べて加入率が低い傾向にあります大手運送会社などは保険料を節約するためにあえて保険に入らず、事故時は自社で賠償する「自家保険」という形をとっているケースがあるためです

Q. 相手が無保険だった場合、どうすればいいですか?

A. まずは警察を呼び、事故証明を取ることが最優先です。相手に支払い能力がない場合に備えて、ご自身の保険に「無保険車傷害特約」が付帯されているか確認しましょう。これがあれば、相手が無保険でも自分の保険から補償を受けられます。

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