高速道路やバイパスの合流地点で、入っていく車と本線の車が「譲る・譲らない」で妙な気まずさになるシーン、よくありますよね。ルール上はどうなっているのか、そして実際の交通の流れでは何が正しいのか。この記事では、道路交通法の根拠とドライバーが陥りやすい誤解、事故の典型例までまとめて解説します。
目次
- 1.合流での優先関係はどう決まる?
- 2.本線と合流側がよく誤解するポイント
- 3.実際のケース別「譲る・譲らない」判断
- 4.合流箇所で起きやすい事故例
- 5.安全に合流するためのコツ
- まとめ
- 筆者の体験談
- FAQ
1.合流での優先関係はどう決まる?
道路交通法では、加速車線や合流レーンを走る車は「本線を走行している車の進行を妨げてはならない」と定められています。つまり、法律上の優先は本線側です。
とはいえ、現実の交通はそれだけでは回りません。本線が詰まっていたり、車間が極端に狭い場合、合流側は入るタイミングを逃してしまうこともあり、そのまま加速車線が尽きると危険です。法的な優先関係と、実務的な“流れを作る譲り”は別物という点がポイントです。
要点まとめ
- 法的優先はあくまで本線。
- しかし交通の円滑化のため、本線側が適切に車間を調整することが強く求められる。
- 合流側は「無理やり入る」のではなく、速度調整でタイミングを合わせる。

2.本線と合流側がよく誤解するポイント
合流地点のトラブルは、多くが“思い込み”から発生します。代表的なのは次の3つです。
- 「合流車は入れてもらえるのが当然」という誤解
法的には本線優先なので、当然ではありません。 - 「本線車は絶対に譲ってはいけない」という極端な思い込み
実際には譲ったほうがスムーズで安全なケースが多いです。 - 「ウインカーを出せば入れる」という錯覚
合図は意思表示であって、優先権ではありません。
こうした誤解が重なると、車線末端で急減速や強引な割り込みが起き、事故リスクが跳ね上がります。

3.実際のケース別「譲る・譲らない」判断
ケースA:本線が流れており車間が十分ある場合
本線の車は少しだけ速度調整し、前後どちらかのスペースを作るのが現実的です。合流側が入ることで大きく影響しない状況なら、譲った方が全体の流れはスムーズになります。
ケースB:本線が渋滞している場合
本線が詰まっていると、合流側の車が入る余地が全くないこともあります。この場合、ファスナー合流(チャッター方式)のように、本線一台・合流一台という交互処理が有効です。海外では一般的で、日本でも推奨されている合流方法です。
ケースC:合流側の加速が不十分
速度差が大きい状態で合流しようとすると事故リスクが高く、本線側も譲りにくい状況になります。十分に加速し、本線の流れに近い速度まで合わせてから合流するのが安全です。
ケースD:本線側に合流妨害がある場合
たまに本線車が意地のようにスピードを上げ、合流を拒む行動があります。これは道路交通法上の“妨害運転”につながり得ます。無理に競り合わず、タイミングを変えるか安全な減速を行いましょう。
4.合流箇所で起きやすい事故例
合流地点は事故が多いポイントとして定番です。典型的には以下のような事故が発生します。
- 追突事故:合流失敗で急減速した車に後続が追いつけない。
- 接触事故:無理やり割り込んだ合流車と本線車がサイド衝突。
- 速度差による衝突:加速不足で本線車と差が大きすぎる。
原因の多くは、合流側と本線側の“意思が読めていないこと”です。互いの動きを早めに読み取ることでリスクは大幅に下げられます。
5.安全に合流するためのコツ
- ウインカーは3秒以上前に出す。
- 加速車線をしっかり使い、本線の速度に合わせる。
- 本線側はゆるく速度調整し、車間を確保する。
- ミラーと死角確認を忘れない。
- 無理に「入る」「入れない」で対抗しない。
まとめ
合流ポイントは、本線優先という道路交通法の原則はあるものの、実際の交通ではお互いの譲り合いが欠かせません。
本線側の余裕ある車間調整、合流側の適切な加速と早めの合図。この二つがそろうだけで、事故は大きく減少します。「優先かどうか」より「全体の流れを守る」ことが重要です。
FAQ
Q.合流でウインカーを出せば本線は譲らなければならない?
A.法律上の義務ではありません。ただし、円滑な合流のために速度調整して譲るのが一般的です。
Q.本線側が意地悪で加速してくる場合はどうする?
A.無理に競るのは危険です。速度を調整し、別のタイミングに切り替えましょう。
Q.ファスナー合流は法律で決まっている?
A.厳密な義務ではありませんが、多くの自治体や道路管理者が推奨しています。
