法律

自転車でイヤホンは違反?|片耳・骨伝導はOK?道路交通法で徹底解説

通勤や通学で自転車を使う人の中には、「音楽を聴きながら走りたい」「ナビの音声を聞きたい」という人も多いですよね。とはいえ、イヤホンをつけて運転していいのか、法律的に不安を感じる方もいると思います。
自転車のイヤホン使用はどこまで許されるのか。道路交通法や条例の最新情報をもとに、わかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 道路交通法では「イヤホン使用」を直接禁止していない
  • ただし「周囲の音が聞こえない状態」は違反になる
  • 片耳・骨伝導でも状況次第で違反とみなされることがある
  • 2026年から自転車にも反則金(青切符)制度が導入予定
  • 安全に使うには音量と使う場面に注意が必要

道路交通法での扱い

現在、道路交通法では「イヤホンを使ってはいけない」という明確な禁止条文はありません。ただし、第70条(安全運転の義務)で「他人に危害を及ぼさないよう安全に運転すること」が求められています。
つまり、イヤホンを使うことで周囲の音が聞こえず、安全確認ができなくなるような状態だと、この安全運転義務に違反する可能性があります。

また、第71条第6号では、各都道府県の公安委員会が「安全な運転に必要な音や声が聞こえない状態で運転してはいけない」と定めることができるとされています。
このため、地域によっては条例でイヤホンの使用を具体的に禁止している場合があります。

地域ごとのルール(条例)

各地でイヤホン使用に関するルールは異なります。代表的な例を紹介します。

  • 東京都:イヤホン等を使用して交通に必要な音が聞こえない状態での運転を禁止。
  • 大阪府:音楽などを聞きながら走行して周囲の音が聞こえない場合は違反。
  • 広島県:イヤホン使用で安全に関わる音が聞こえない状態は禁止、違反すると5万円以下の罰金。

このように「イヤホンそのもの」ではなく、「聞こえない状態」を禁止する条例が多いのが特徴です。

片耳や骨伝導イヤホンは大丈夫?

「片耳ならOK」「骨伝導は耳をふさがないから平気」と考える人も多いですが、実際はケースバイケースです。

片耳イヤホン

片耳を空けていても、音量が大きいと周囲の音が聞こえづらくなるため、状況によっては違反と判断されることがあります。
警察の運用では「周囲の音が聞こえるかどうか」が判断の基準です。

骨伝導イヤホン

骨伝導イヤホンは耳をふさがないため、他のタイプよりも安全と言われます。ただし、音量が大きい場合や交通量の多い場所では、警笛やサイレンが聞こえにくくなることもあります。
“聞こえているかどうか”が一番の判断ポイントと考えましょう。

違反になるとどうなる?

2025年現在、イヤホン使用が直接の罰金対象になることは少ないですが、安全運転義務違反に問われる可能性はあります。
また、2026年4月から導入予定の青切符制度(反則金制度)では、イヤホン使用が反則行為に加えられる見込みです。
報道によると、反則金はおよそ5,000円前後になる可能性があります。

イヤホン使用による事故リスク

イヤホンをつけていると、後ろからの車や自転車の接近音、緊急車両のサイレン、歩行者の声などが聞こえにくくなります。
実際に、イヤホンをつけたまま車の警笛に気づかず交差点に進入して事故になるケースもあります。
また、事故時には「イヤホンをつけていたこと」が過失として扱われ、損害賠償に影響することもあります。

安全に使うためのポイント

  1. 音量を下げ、周囲の音が聞こえるようにする
  2. 交通量が多い場所や交差点ではイヤホンを外す
  3. 音楽よりもナビ音声など短時間の使用にとどめる
  4. 片耳・骨伝導を使っても油断しない
  5. 居住地の条例を必ず確認しておく

「聞こえるかどうか」を意識して使うだけでも、違反のリスクを減らせます。

まとめ

自転車でのイヤホン使用は、「聞こえない状態になっていなければ違反ではない」のが基本です。
ただし、条例によっては禁止されている地域もあり、2026年以降は全国的に取り締まりが強化される見込みです。
片耳や骨伝導イヤホンを使う場合でも、音量を控え、交通状況に応じて使い方を変えるようにしましょう。

筆者の体験談

筆者も以前、通勤中に片耳イヤホンで音楽を聴いていましたが、交差点で救急車のサイレンに気づくのが遅れたことがあります。それ以来、走行中は音楽を止め、ナビ音声だけを小さな音で聞くようにしました。
「少しぐらい大丈夫」と思っていたことが、実は大きなリスクだったと気づいた経験です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 片耳イヤホンなら違反にならない?

A. 片耳でも音量が大きかったり、交通量の多い場所では危険と判断される場合があります。「聞こえる状態か」が大事です。

Q2. 骨伝導イヤホンはOK?

A. 耳をふさがないため比較的安全ですが、条例では特例扱いされていません。音量や使用環境に注意しましょう。

Q3. 違反するとどうなる?

A. 現状では注意や指導で済むことが多いですが、安全運転義務違反とされる場合もあります。2026年以降は反則金の対象になる見込みです。

Q4. 自転車スピーカーで音楽を流すのは?

A. 周囲に迷惑にならない音量であれば問題ないことが多いですが、大きな音で流すと迷惑防止条例に触れる可能性があります。