妨害運転罪の概要とは?対象行為・罰則・注意点まで徹底解説【2025年版}
妨害運転罪とは?【まず結論】
妨害運転罪とは、他の車両の通行を妨げる目的で行われた悪質な運転行為に対して科される刑罰です。これは2020年6月の道路交通法改正によって創設された新たな法律で、正式には 「他車通行妨害目的運転等の禁止」 という条項にあたります。
明確な“あおり行為”があった場合、刑事罰+免許取消しという重い処分が下される可能性があります。
妨害運転罪が創設された背景
妨害運転罪が生まれたきっかけは、2017年に発生した東名高速での死亡事故です。あおり運転の末に無理やり停止させられ、追突されて夫婦が亡くなった事件は、全国的な関心を集めました。
その後、国土交通省と警察庁が連携し、悪質な運転行為を刑事的に処罰できる法整備が急がれるようになり、2020年に妨害運転罪が制定されました。
妨害運転罪の対象行為10パターン
警察庁が明確に定めている対象行為は以下の10種類です。これらを「他車の通行を妨害する目的」で行えば、妨害運転罪に該当します。
- 車間距離を詰める(テールゲート)
- 不必要な急ブレーキ
- 無理な進路変更や割り込み
- 幅寄せ・蛇行運転
- クラクションの執拗な使用
- パッシング(ハイビーム)の乱用
- 執拗な追走・あおり行為
- 高速道路上での強制停止
- 通行の妨害を目的とした低速走行
- 車外に出ての威嚇・暴言・暴力
妨害運転罪の罰則と行政処分
刑事罰
通常の妨害運転:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
著しく危険な場合:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
行政処分(免許)
違反点数:25点(即時免許取消し)
再取得には最長2年間の欠格期間
妨害運転罪が適用された実例
実例1: パッシングとクラクションを繰り返した男性が、ドライブレコーダーの映像により現行犯逮捕。
実例2: 高速道路上で無理に停車させ、追突事故で死亡者が出た事例では懲役18年の実刑判決。
妨害運転罪と過失運転の違い
「妨害運転罪」は故意(わざと)行った運転に適用され、「過失運転致死傷罪」は事故による過失行為に対して適用されます。意図的な妨害かどうかがポイントです。
ドライブレコーダーは最大の防衛手段
ドライブレコーダーは妨害運転の立証に極めて有効です。以下のような証拠になります。
- 相手の車間距離
- 車線変更のタイミング
- クラクションやパッシングの回数
- 停車や衝突の瞬間
妨害運転で捕まらないための心得
- イライラしても運転に感情を持ち込まない
- 車間距離は常に十分に保つ
- クラクションは本当に危険な時だけ
- 譲り合いの意識を忘れずに
- 相手のミスは流す余裕を持つ
よくある質問(FAQ)
Q. 妨害運転罪は初犯でも逮捕されますか?
A. はい。悪質な運転が証明されれば初犯でも逮捕の可能性があります。
Q. どの程度で「故意」と判断されるの?
A. 相手にプレッシャーを与える行動(詰め寄り、クラクション連打など)は故意とされる可能性が高いです。
Q. ドライブレコーダーがないと立証できない?
A. 目撃証言や防犯カメラでも可能ですが、ドラレコがあると圧倒的に有利です。
まとめ:妨害運転罪を「知らなかった」では済まされない
- 妨害運転罪は2020年創設の重大刑罰
- 10項目の明確な違反行為が対象
- 罰則は懲役+免許取消し
- ドラレコがあれば立証も防衛もできる
- 感情に支配されない運転が大前提
“たった一瞬の感情”で、あなたの未来が失われないように。
知識を持つことが、安全と安心につながります。